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弁護士 亀石倫子&丸井英弘×東京ピンク〜大麻取締法改正の案とヒント〜 麻なびスペシャル大麻対談

私の経験上では大麻使用で二次犯罪を犯したり健康を害しているという人に出逢ったことがありません。なぜ大麻が規制されているのかがよくわからない

-亀石さんは国選、私選でも大麻の判例はご経験があると伺っております。
亀石さんは大麻ってどんなものかご存知でしょうか。

亀石 私自身は大麻を使用した経験はなくて体験として大麻がどんなものかはわからないのですが、これまで沢山の刑事事件をやってきて、大麻だけでなく違法薬物とされているものを使用したり所持したという刑事事件を扱った事がありますが、例えば覚せい剤やアルコールの場合、幻覚とか酔っぱらって暴力事件を起こしたとかわいせつ事件を起こしたとか。そういった二次犯罪に発展するケースがありますが、大麻を使用した人が二次犯罪を起こしたというケースは私の経験にはありません。
つまり、大麻を使って第三者に危害を加えるという危険性について、実感はないんですよ。
もう一つは大麻を使用したことで自らの健康を害しているという人にも出逢ったことがないんですね。なので私の感覚としてなぜ大麻が規制されているのかがよくわからないな、というのは思っていました。
大麻取締法違反の場合、大抵は執行猶予になったり、所持が微量であれば不起訴になるケースもあります。大麻取締法自体が憲法違反であるとか、裁判で争ってくれと言われたことないので、私自身は刑事裁判で大麻取締法の違憲性を争った経験はないですね。


-そういう部分でちょっと繋がるなと思ったのは、丸井先生の初めての判例や40年間弁護活動の数々の判例でも同じだと思いますが、そもそも植物(葉っぱ)をもっているだけで(二次犯罪を起こす原因にもなっていないであろう)拘束されなければいけないのか?という疑問があると思います。
亀石さんの令状のないGPS捜査に関して書かれている「刑事弁護人」を読ませていただきました。
個人的にピックアップした部分がありますのでその点も伺いたいのですが、亀石さんはGPS捜査の担当をされたときに直感でこのケースは捜査に問題がある。と感じたと書いてありました。大麻取締法に関してはいかがですか?


刑事弁護人 (講談社現代新書) 亀石倫子、新田匡央 著

亀石 大麻の所持や栽培を一律に禁止して刑罰を科している大麻取締法には果たして合理的な規制根拠はあるのだろうか?
そういった直感を抱いていたのですが、ここにきて日本以外の国で大麻の医療目的使用、嗜好目的使用が認められるようになり、医学的な研究や論文が出され、さらにWHOの見解なども大麻に対する扱い方が変わってきているじゃないですか。

-そうですね。どんどん発展していると思います。

大麻取締法規制根拠は不合理なのではないか?私たちは段々と知り始めている。そしてダメ絶対の思考停止からどう抜け出すのか。


亀石
 そういった客観的データがいろいろ出てきている中で感じるのは、やはり大麻取締法は規制根拠が怪しいのではないか、不合理なのではないか。そういった直感が客観的なデータによって裏付けられている。
そういうことを私たちはネットを通じてだんだん知り始めている。今はそういう状況だと思うんですね。

ところが現在の日本は「大麻はダメ絶対!」の影響で思考停止の状態にあると思います。国がその状態なので国民も「ダメなものは駄目」みたいな。
ある意味では日本人の国民性もあって「ルールなのだから破ってはダメでしょ」という場所から動けないと思うんですよね 。
ルール自体を疑うことをしないと言うか、そういう発想がなかなか持てないところもあって。
「駄目なものは駄目なのだから」という感覚なので、大麻取締法違反の刑事裁判では、被告人に非常に厳しい視線が注がれている。そんな風に現場では感じています。


-本当にそうですね。裁判では争うメリットとデメリットがあると本にも書いてありました。
大麻のケースでも争うという姿勢を持ったときに、大麻に対して世の中のイメージが世界と比べて日本はまだ追いついていない分「ダメ絶対!」から思考がスタートしていると思います。だからこそ主張し難い状況が現場にはあるのだと感じます。

ここで一つ資料を表示したいと思います。

-パキシルという“うつ病”で処方される薬なのですが、それを20年間服用してから断薬した方がいらっしゃいまして、パキシルの副作用や体感を当時の状況を思い出していただき伺うことができました。
飲み始めて2週間ぐらいで効果を感じる。状態は覚醒剤をもし体験したらこんな感じなのかな?という冷たい感覚が症状として訪れるらしいのです。全体的に感じるのは服用している時も病める時も「自殺願望」「頭痛」「頭の違和感」「不安感」があると。この方は自分で服用をやめることができたのですが。

2017年精神疾患を有する総患者数が400万人超え(うつ病, アルツハイマー, てんかんなど含む)
2019年の自殺者数が2万人越え( G7で最多人数)
2019年のがんの罹患の患者数が100万人超え

医療大麻の可能性はこういった症状にも“確実に効果があるものである”と麻なびのティーパーティーでお呼びしたイーサン・ルッソ博士から直接に伺った話からも当てはまると思っています。

 

また大麻で5人の小児がん患者(ステージ4)を大麻で治療して改善するアメリカのドキュメンタリー映画「WEED THE PEOPLE 〜大麻が救う命の物語〜」があります。これはその小児がん患者に生の大麻を家庭のキッチンでオイルにして医療利用する内容なのですが、5人中4人が改善されてまだ再発していないと。こういう映画もあります。

WeedThePeople上映スケジュール

こうした状況を踏まえた上で身体的な罹患者もそうですが、日本では精神的な分野でも大きな効果を得られる方はたくさんいらっしゃると思います。
大麻を処方することで、うつ病などの処方薬として重い副作用が生じるパキシルなどに変わる改善薬になる可能性が十分あるものなのです。

DON DON PUFF / LONSDALERS

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