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東京ピンク×弁護士 丸井英弘 スペシャル大麻対談

2016年10月 「麻なび」は一人のレジェンドを訪ねた。

大麻取締法とはどのような法律なのか。その歴史、背景、矛盾点を知っておくと現在社会問題として取り上げられる「大麻」という植物の本当を知るきっかけになる。

この特集は大麻の正しい知識と見解を持っている人と無性に「大麻論議」をしたい!と企画し実現したスペシャル大麻対談だ。

ということで弁護士の丸井英弘先生の事務所に遊びに行ってきました。

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丸井先生は現在、刑事罰として扱われている大麻案件に数多く携わっている貴重な弁護士です。
どんなお話ができるのか!? ドキドキ、ワクワクでしたが、、、結果!
楽しい時間を過ごして、沢山面白い話をすることができました。

 

丸井英弘 プロフィール
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1944年愛知県名古屋市生まれ。国際キリスト教大学および、東京教育大学卒業。人権の保障と環境問題に対して、法的側面から貢献したいという思いから弁護士となる。75年から現在まで多くの大麻取締法違反事件を100件以上担当し、一貫して、大麻を刑事罰で規制することの不合理を訴えてきた。大麻についての誤解や偏見をあたえる情報を是正し、大麻すなわち麻の有効利用を促進するための正確な情報提供を行うために精力的に活動している

 

──先生、ご無沙汰しております!お元気でいらっしゃいますか?

丸井:最近少し体調に不安を感じる事があって検査とかもしたのですが、今は処方された薬もやめて、温灸、断食(1日1食)を実践しています。体調はいいですよ。

──11/15に「いま日本の麻はどうなっているのか まだ誰も知らないお話」という麻会議が行われますね。

丸井:講師として、私と、ヘンプカープロジェクトでも精力的に活動している中山康直、大麻入門の著者でもある長吉秀夫とやります。

──僕が少し耳にしたところ「健康大麻」というキーワードが出てきました。どんな内容なのですか?

丸井:「健康大麻」に関しては中山さんがお話します。これは楽しみにしていてください。僕は最終的にまとめと、最近の自分と医者とのやりとりや、そこから実践していることを話します。直接結びつく訳ではないけど、自然治癒力という意味では麻も同じだよね。

──ですね。

丸井:麻を使った生活をしていれば人間の生活に必要なものをほぼ賄える訳で。麻の実を食べれば貴重な栄養も摂れるし、麻の茎からは家もできて、紙もできる。衣食住の衣料の「い」だけど、医療の「い」でもあるじゃないですか。

──ですね。うん。

丸井:そうすると、全部できちゃうんですよ。主食として麻の実だけでいいのかと言うとそうではないと思いますけど。

──エネルギーありますからね!「麻」は!

 

「大麻取締法」で一番問題なのは、保護法益が“不明確”といいうこと。
守るべき法益がないんですよ。(丸井英弘)

丸井:だから昨今の「大麻」の問題も“基本的なところ”を押さえる必要がありますよね。

──先生が大麻に深く関わることになったきっかけは、2012年に発表した論文にも書かれていたアメリカ人の弁護をしたのが最初なのですか?

丸井:そうです。弁護士になって2年目かな。昭和50年に担当したアメリカ人青年が最初ですね。

──それまでは「大麻」に対して調べたり、知る機会というのはなかったのですか?

丸井:そうですね。なかったですね。

──すると、弁護として携わってこの法律はおかしいぞ!と。。

丸井:はい。最初は非常にこの法律に対して奇異な感じを受けたんです。この時もアメリカ人青年が逮捕されたと。彼が大麻を持っていると。ただ、私は所持しているだけで捕まるというのは、今の刑法理論から言ったらおかしいと思うんですよね。

──ほ〜、、どのあたりですか?

丸井:刑法というのは人権を守るためのものなんですよ。そして憲法というのは人権をあおるのが中心で、その為に司法があるんですよね。だから警察も市民の人権を守るのが仕事です。こうして部屋の中で平穏に話ができているとか。部屋の中に誰かが入ってきて物を盗ったり、人を殴れば傷害罪になると。つまり市民の体の安全を守っているものです。

──うん。うん。

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丸井:すると、部屋の中にこういう物がありますよね(花瓶に挿してあるススキ)。で、これがたまたま「麻」だったら捕まるというのはどうしても“変”だなぁと。むしろ包丁とかの方が危ないですよね。

──(笑)

丸井:で、包丁の場合は正当な理由がなく包丁を持っていても単なる軽犯罪法違反です。刃が長くなれば銃刀法違反ですけど。だから最初の感じでは「あれ?なんだかおかしいな」と。司法というものは人権を守る。が、人の人権を侵害している。つまり逮捕するという事は身柄拘束ですから、身柄拘束というのは最大の人権侵害じゃないですか。人の自由を奪うという。守るべき司法が侵害をしていると。

──理由が「大麻」だったとして、花瓶に挿してあるのがススキではなく大麻だった場合に、身柄を拘束というのが人権侵害だと。

丸井:ええ。人の物を盗ったり、人を殺したりならば拘束の必要性はわかります。それは市民の安全を守るためですから。

──はい。

丸井:つまり「保護法益」というものがあるわけですよ。保護法益というのは「人権」ですよ。
解説:保護法益とは法律を作って保護するに値する利益・権利のこと。
例)「人の命」 保護するに値する権利だからから殺人罪によって規制している。
例)「個人情報」 以前は電話帳などにも記載があり気軽に公開されてたが、情報が高度化した現代では簡単に悪用できる。その為、個人情報を扱うにおいてルールができた。

──はい。

丸井:そうすると「大麻取締法」で一番問題なのは、保護法益が“不明確”といいうことです。守るべき法益がないんですよ。そこが一番最初の出発点です。

──なるほど〜。しかし、丸井先生は凄いですね。例えばそのアメリカ人青年のケースを取っても、先生と同じように“変だ”と考える弁護士さんているんですか?

丸井:う〜ん。

──僕のイメージだと“稀”なのかなって、、仮に大麻のケースで弁護を引き受けても「大麻取締法」があるから、その上で裁判を進める弁護士の方が多いのではと思ってしまうのですが。そこに異議を唱えるってマジで熱いッス!!

丸井:うん。僕の場合はまず弁護士になる前に、法哲学とかそういう勉強をやるわけですよ。“法とは何か”とか。そういう基本ベースがあって弁護士はやっていきますし。さらに法万能主義といって批判される部分もあります。法律があるからダメだ!というのは“法万能主義”といってそれは問題があると。

──はい。

丸井:そして「法匪(ほうひ)※」という言葉があります。法律を使って人民を支配すると。だから昔に勝手な法律を作って、その法律の名の元に人を捕まえたり、色んなことをしてますよね。
※法律の文理解釈に固執し、民衆をかえりみない者の意

──うん。うん。

丸井:ところが我々(人民)は国民主権者です。昔、人民は主権者ではなかったから、勝手に王様が命令したりしていた。つまり奴隷ですよね。そうすると、法律があるからということで従うのは「法万能主義」で、、、

──法哲学からは外れたものになると。

丸井:なるんですね。それに我々(弁護士)は「憲法」に従ってやっているわけです。だから、憲法の原則に沿ってどうかというのが“基本”なんです。だから僕は、みんな最初からそう考えてやっていると思いますよ。法律家になる以上は憲法が基本であるという。

──うん。うん。

丸井:憲法の基本原則が人権の保障と平和主義ですから、それが法治主義なんですよ。だから、人権を侵害する法律は「法治主義」に反するんですよね。

──うん。うん。うん。

丸井:だから私は、大麻取締法があることで法治主義が揺らぐと思ったんです。法律に対する信頼がなくなりますから、これは法に対する権威も低下させるので。こういう法律があることが問題だと。そう思いますね。

──今って、弁護士の多くは大麻取締法に対してどう思っているのでしょうか?

丸井:一般的な多くの市民と一緒じゃないですか。法律家だからといって私の様な考え方をするかはわかりませんね。

──大麻に対する一般的な考えだと、大麻というものは“危険”で“麻薬”であるという感覚で捉えている人が多いということですよね。

丸井:そうそう。危険なものを取り締まるのはしょうがないと。危険なものを取り締まるという考えは私もわかるんです。でも、当事者に会ってね。当事者が大事じゃないですか。普通の青年で、反社会的な人でもなく。普通の生活をしていて、人に対して何の被害も加えないという事がわかりますので。

──うん。うん。

丸井:別に何の特別な弊害もないと。やっぱりそこまで掘り下げないとダメだと思うんです。

──そこから始まって今に至るのですね。

丸井:その後も、カウンターカルチャーというのでしょうか、ヒッピー運動に影響を受けた人たちが色々活動していますよね。彼らは麻を嗜んでいる人が非常に多くて。そういう関係者の人達の弁護をしてきましたね。音楽家、アーティストも多かったです。

──そんな中で大麻取締法への異議が深くなっていくのですか?

丸井:ええ。最初の事件で私なりに大麻取締法を調べたらですね。まずは法律として欠陥法であるということがわかったんですよ。

──はい。

丸井:まず目的規定が書いていない。
※目的規定は、その法律の制定目的を簡潔に表現したものです。

──大麻取締法はそうですよね。

丸井:それでポツダム宣言※を受けてね、ポツダム省令を受けて出来たという事もわかったんですよ。これはもう立法事実がないと。立法事実というのは、法律を作る社会的な必要性ですよ。
ポツダム宣言は、1945年(昭和20年)7月26日アメリカ合衆国大統領、イギリス首相、中華民国主席の名において大日本帝国日本)に対して発された、「全日本軍無条件降伏」等を求めた全13か条から成る宣言である。

──はい。

丸井:そして、日本には昔から「麻」が文化としてあったのに、突如GHQが命令出して禁止して、それらの経緯で作られた法律だと。すると、そもそもこれは何だと。立法事実がない法律だと。私としてはそこが大きかったです。

──うん。うん。

丸井:日本では昔からあった有用な「植物」を突如占領軍の圧力で作ったと。そこが大きいですね。私は。

── ・・・・(改めて認識)

丸井:あっ!だからこんな事があるのかなと思った。だって通常そんな“ただ物を持っているだけで”捕まえるなんて出来ないはずですよ。憲法下に於いて。これ何でできたのかなと思ったんですよ。と言うことは「憲法」が機能していないということです。憲法は昭和22年にできていますが、実際には機能していない。占領軍の占領下の元で全部抑えている訳ですから。

──う〜ん。

 

事実に基づかない報道の中、落ち着いて議論しよう!という著名人の声も上がってきてます。
みんなヒステリックになりすぎ。(東京ピンク)

丸井:だから、僕もあなた達の、麻の総合ポータルサイト「麻なび」が持っている活動の基本を何処らへんに持っているのか。方針とか。そこら辺はどうなんですか?

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──そうですね。今、「麻」に対する情報って色んな人が発信をしていて、その中には個人的な感情が含まれていたり、先生のようにしっかりと事実に基づいて発言されているものもある。でも実際に“情報を受け取る側”ってあれもこれもありすぎて頭がゴチャゴチャになっていると思うんです(笑)

丸井:うん。うん。

──その辺りを僕らとしては肩の力を抜いて、もっと受け入れやすく、わかり易い見せ方って出来ないのかなって。

丸井:そうだよね〜。

──多分、見てくれいている世代の中心が20代、30代、40代が多くて。それ以上でも楽しんでくれている熱い方もいるんですけど。折角たくさんの人が麻の真実を発信していて、ここら辺で全体の“意識”の底上げをしたいんです!!

丸井:うん。うん。

──山本医療大麻裁判や、鳥取の上野さん、高樹沙耶さんの選挙戦出馬や逮捕、安倍昭恵さんの大麻に対する発言とか、日本でも「大麻」ってなんだ?と。知りたいと思う人が増えていると思うんです。調べると色んな情報があって、片や“毒”で片や“薬”で。

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丸井:うん。うん。うん。

──「麻なび」から発信される情報は、しっかりと事実に基づいて、しかも若い世代も含めてこれから「大麻」を知る人達にわかり易い、受け入れやすいサイトでありたいなと。肩の力を抜いて、ポップにお洒落に、世界を含めた大麻の“なう(今)”を。まんま事実をテーブルに並べていきたいです。

丸井:なるほどね。

──感情を抜いて、大麻ってこんな植物で、こんな使い方ができて、日本ではこうでした。世界ではここの研究結果のもと医療で患者を助けていて、どういう原理で体に作用して、化学療法と比べると副作用はこんなで。さらに嗜好としてもこんな観点から解放されている。そしてこんな結果が世界では生まれています。(感情を抜きにして)ここまででいいと思うんです。

丸井:そうですね〜。

──事実に基づいた情報を受けた時に“どう判断するのか”その後は皆さんにお任せします。って。そしてもっと議論していこう!って。ありのままをサイトに反映するだけ。それがこれから「大麻」を知る人にとってとても大切なのかな〜と。

丸井:確かにそうですね。

──ずっと大麻の有用性をテレビでも発言している武田邦彦教授も仰っていましたが、ここ最近の報道のアナウンサー、タレント、コメンテーターの大麻に対して無知な状態での発言は目に余るものがあると。「幻覚みる」とか「医療はいいけど一方で乱用につながる」とか(笑)。

丸井:はい。

──でも、そんな危ない危ない麻薬をアメリカでは11月にまた幾つかの州で、嗜好大麻も含めて是非の投票が行われますし(笑)、タイでは80%の人が嗜好大麻と医療大麻に賛成しているという世論調査もあります。みんなの大好きなウルグアイのムヒカ元大統領は、そんな危ない危ない麻薬を国民に完全に解放しました(笑)G8で大麻に対して危ない危ない麻薬として、真後ろを向いているのは日本だけですよ・・・と。

丸井:うん。うん。

──そういうモノを情報としてちゃんと反映させていきたい。想像で話されている内容が、テレビや新聞から垂れ流しになっている。僕たち「麻なび」はメディアとしてちゃんと事実を映していきたいです。麻の有効性をありのままに。それで、個人が考えればいいと思うんです。

丸井:そうですね。

──大麻の嗜好利用についてもそうです。みんな大麻の花で得る精神作用に対して悪い事という考えがある。でも、それの何が悪いのか?根底には「ダメ。ゼッタイ。」の情報がある。お酒よりも安全で楽しめる植物なのに。もう少し落ち着いて、メリットにもちゃんと目を向けて。議論できる状態に。

丸井:あ〜そうですね。

全員:ちょっとヒステリックですよね(笑)

──この前、「NPO法人医療大麻を考える会」の前田さんを訪問しました。前田さんがアメリカへ医療大麻の取材に同行した。疾患、難病を抱える患者さんの映像を見せてもらったんです。現地に行く前の様子、現地で大麻を経験した様子、帰国して感じた大麻への感想が述べられているのですが、、

丸井:へぇ〜 そうですか。

──皆さん大麻を経験するのは初めてで(笑)実際に疾患が楽になって効果が現われている感想とか。大麻を経験してみてどうですか?という質問に「中毒性とか危険というのはないですね。全く感じません。」とコメントされていたり。

丸井:皆さん初めて経験されたのですか?

──はい。実際にこれまでにはなかった効果が短期間で出て、皆さん驚いていました。

丸井:へぇ〜

──でも、アメリカの大麻解放の状況を見せつけられて。。正直ヘコみました(笑)どうした?日本!? みたいな(笑)ディスペンサリーの状況とか。ガイドブックがあるんです。医者もちゃんとアドバイスして処方箋を出す。大麻を提供する側もしっかりとビジネスとして成り立っている。

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丸井:うん。うん。

──だから、嗚呼いう一方の現実を映像で見たときにみんなどう思うのかな?って。

丸井:それ必要ですよね。

──今の適当な報道とは別で、諸外国が平和に大麻を利用している“現実”を見たときに感じる事って確実にあるなと。

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丸井:私も1980年にオランダで第一回の大麻国際会議があったのですが。その時もアメリカやカナダ、ヨーロッパ各国から数百人集まって会議やって。皆んな会場でも大麻吸いながら会議やってましたね。

──(大爆笑)

丸井:特別に問題もなかったし、問題も起きないし。あれでびっくりしました。あれで日本との違いを感じました。

──ここ最近の高樹さんや上野さんの騒動の中で、大麻に対するネガティブな報道がある中、脳科学者の茂木健一郎さん、ホリエモンさん、モーリーロバートソンさんが「もっとちゃんと議論をするべき」的な意見も著名人から出てきました。

丸井:やっぱり中立の立場は必要ですね。実は今回も弁護依頼が来たんですが、外国から来て、羽田で捕まって。それで所持なのですが。アメリカから来て持ってきちゃうとか。そういうケースもこれから増えるのではないかなと。

──オリンピック!ですね(笑)パラリンピックの選手の方々なんて、既に自分の常備薬として大麻を使っている人もいると思います。東京で開催している期間はどうするの?とか。

丸井:使っている人がいればそれは問題になりそうですね。。

 

大麻を禁止するように指示を出している人の真意ってなんだろうって。
でも僕が支配者だったら、、大麻は禁止します(笑)(母武麻リヲ)

──話は少しズレますが、医療大麻とか、嗜好大麻とか、産業用大麻とか。医療と嗜好で見ても、突き詰めてみると「何故、健康に良い作用をする大麻を使えるのが患者さんだけなの?」って僕なんかは行き着きます。別に病気と診断される前に予防として、リラックスとして、利用してもいいじゃん!て(笑)

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丸井:うん。我々は主権者だという事だよね。主権者の生活を守るのが法律ですよ。そうすると大麻取締法の立法事実がね。当時昭和23年。何もないわけですよ。大麻で何か弊害があって「取り締まってくれ!」とか国民の声があってできた法律ではない。そこが根幹ですよね。そして日本は大麻を色んな場所で使っていた。

──うん。うん。

丸井:そうすると、医療大麻とか嗜好大麻とか関係なく、そもそも「大麻」っていう植物ですから。色々使えるなら使うのが当然のことですよね。

──だから、ウルグアイのムヒカ元大統領の解放の仕方はやっぱすごいですよね。国民は自分で育てて利用できる。

丸井:私もまずそれだと思っています。そして第一に刑事罰として捕まえることに異議がある。被害者がいないのだから。で、もし規制するとしたら“説得”の方法をとるべきだと思うんです。“強制力”を使うべきではないと。何か悪い事があるのなら、その情報を提供して自主的にやめろとか。そういう手段ではない訳です。被害者がいないのに。

──う〜ん。そうですよね。

丸井:ダメ!で強制的に捕まえるでしょ。これは文化レベルが低いと思う。僕は。文明社会ではないと思う。

──凄い急カーブな方向ですが、何故ここまで頑な(かたくな)に大麻のネガティブキャンペーンをするのかなって。もう「ダメ。絶対。」だけでは通用しないのは事実じゃないですか。結局どんな“意図”があるのかなって。

丸井:うん。

──今回の騒動も麻取が30人ですか?動員されていて。麻取に指示を出した人がいて、その上にもそうする流れを組んだ人達がいて。その上にも・・・

丸井:うん。

──それでも「大麻」は絶対解禁させない!なのか、俺たち手動でやるから活動家は押さえとけ!なのか、大麻で日本の国力が上がるのを嫌がる何かがあるのか、噂にもあるただのスピン報道なのか。それとも解放すると人々に“氣付き”が生まれてしまうからなのか。指示を出している人達の“真意”って何だろうって。

丸井:面白い議題だね。僕もそこら辺は関心がありますね。

──みんなで「大麻」について議論する事も許さないヒステリックな状況って、世界と比べると差がありすぎて単純に疑問が生まれます。

丸井:僕もそこは考えますね。“意図”だよね。問題はマスコミも全部コントロールされているから。

──そうですね。

丸井:マスコミ報道が一つのきっかけになると思うんだよね。

──今は事実を知らない人の方が圧倒的に多い。

丸井:繰り返しになりますが、問題は被害者がいないということ。そして刑事罰だということ。人を逮捕するということです。逮捕、拘束するということはその人の生活を破壊することですから。社会的なリンチですよね。逮捕だけじゃない、それによって職も失うんですよ。仮に大麻が悪いものだとしても、説得とか情報公開で自主的にやるという方が平和的ですよね。

──はい。

丸井:問答無用で捕まえるなんていうのは、この民主社会ではありえないと私は思うんですね。我々は主権者なのだから。主権者を捕まえるというのは、昔で言えば王様を捕まえるということでしょ。だから、余程の“根拠”がなければ本来はできないと思うんですよ。

──なるほど〜。

丸井:だから僕は刑事罰になっているということがまずあります。大麻取締法は刑事罰として麻という「植物」を規制している事が疑問ですね。規制するにも色んなやり方があると思うんですよね。

──今の社会は高樹さんの件にしても、彼女は「自分のものではない」と主張していて、同居人の男性が「全て自分の物だ」と言っています。法律で使用は罰することができないのに、その状態でも既に犯罪者扱い。高樹さんのプライバシーまでバッシングの対象になっている。

丸井:うん。うん。

──高樹さんが主張していた大麻のお話って、安倍昭恵夫人が仰っていることと何ら変わらない。昭恵さんは第一回KYOTO HEMP FORUMで嗜好に関しても「何が悪いのかはっきりと明言されていない」と仰っています。それなら何故マスコミ、タレント、コメンテーターは昭恵夫人をバッシングしないの? って僕は思ってしまいます。話が戻りますけど「何が目的なの?」って(笑)

丸井:そういうところだよね。

──話はぶっ飛びますけど、、僕が支配者だったら、大麻は禁止します(笑)

全員:(笑)

──大麻業界でも何だかジャンル別みたいになっていて。大麻は一本の植物なのに。花の部分だけ毛嫌いされる風潮を感じます。法律で規制や制限を受けて社会から誤解を受けているのは医療も産業も同じなのに。そこ(嗜好)は誤解じゃないんだ?と。単純に不思議な感覚がします。

丸井:う〜ん。嗜好大麻が何で駄目なんですかね?

──なんでしょう? 気持ちよくなる感覚とか、氣付きを得るとか、リラックスするとか、その他にも沢山、嗜好大麻のメリットってあると思います。そういうものを外部から得る事に対して、日本人特有の毛嫌いするスポ根があるのかな? 苦しんで、必死こいて、その上で得てこその美学!みたいな(笑)それともただの想像で、危険という位置から考えが始まっているのでしょうか。

丸井:うん。うん。

──日本人て“性”に対してもそういう風潮ってあるかなって。興奮したり、喘いでみたり、それを恥ずかしいことにしている側面もあるかなって。嗜好に関しても心を解放して楽しんでいる状態を「あいつはラリってる!!」って(笑)

丸井:うん。うん。

──でも、諸外国でどんどん嗜好大麻も解放されて、日本人も外国で経験する人も増えると思うんです。

丸井:うん。僕はアメリカを見ていて、この流れは日本にも必ず来るなと。その時にどういう風にいくかですよね。

──そう思います。流れを組めば、まずは大麻の医療利用かなと。合成カンナビノイドなの? 天然の大麻一本を使ったものなの? とか。凄く重要な問題。本格的に「大麻」が議論のテーブルに上がった時に、国民が正しい知識を持っているかはすごく大事だなと。だから大麻の基本中の基本を伝えるセミナーなんかもやりたいです。もう一度原点に戻って。

丸井:大事ですね。わかり易いセミナー。みんな参加型のお茶会とかね!私も参加しますよ。

──ありがとうございます!! 最後に、観音バンドは結成してからどれくらいですか?
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観音バンド:2004年(平成16年)秋、高知県中村市(後に四万十川市になる)で開催された「ヘンプギャザーリング」に参加した奈良大介、変風丸井、豊田富美子によってその年の秋に「観音バンド」結成。目的は「未来の命と地球を守る環境循環型社会を実現させるための素材として麻(ヘンプ)の有効利用を提唱する音楽活動の推進」。活動に共鳴する有志が続々と参加。

丸井:もう10年ですね〜。

──そっか。もう10年なんだ。結成当初は僕も(東京ピンク)参加してスタジオでセッションしてました(笑)

丸井:(笑)あれが、一番最初ですよ!

──先生とご縁を持たせていただいてから、もう10年経ったんだ。多方面にご活躍されていることを心から尊敬しています。これからも宜しく、お願いします!

──読者の皆さん、→「丸井弁護士が2012年に書いた論文」です。
こちらも是非ご一読ください。

 


あとがき

今って逆境ですけど、チャンスでもあると思うんです。僕は日本人が自国の文化(大麻)を否定し続けることにやっぱり違和感を感じますし。麻なびがたどり着いた結論は『シンプルに、大麻は人類の生活を100%豊かにします。』ということです。この後も大麻論議は夜更けまで続きました。
丸井先生、今回は本当にありがとうございました。とっても勉強になりました。
麻なびは、ポップにお洒落に、大麻という平和のカケラに「光」をあてていきたいと思います。
Interviewer:Tokyo Pink & 母武麻リヲ

 

DON DON PUFF / LONSDALERS

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