医療大麻裁判 第四回公判のレポート
東京です。
2016年6月27日に医療大麻裁判の第四回公判があり僕も応援に行ってきました。
痛快でした。
次の言葉に、裁判を終えた後のすべてがみえます。
山本さんはメールで「さすがに昨日はパンパンで苦しかったですが、気分はすがすがしいです。
福田先生の証言のなかに一歩も譲らぬ揺るぎない信念を、、、、幸せを感じる日でした」と書いている。
※NPO法人医療大麻を考える会より抜粋
これは山本さんから前田さんへのメール
山本さんは車椅子で法廷に現れた
僕は今回の裁判は、法のシステムに沿ってその中で大麻が徹底的に肯定された場所だったと思うのです。
それがこれまでの大麻裁判と違う末期ガン患者が臨んだからこそ
法廷で芽がでた大麻の本当のこと。
その内容と空気をお伝えします。
その日は着いてすぐに驚きがありました。
母親が中学生の女の子と傍聴のため列でいたから。
毎度この裁判を傍聴している人には何がきっかけで来たのか
知りたくなる人達がいる。
今回の親子は完全にそれでした。しかもこれまでとは比べものにならない衝動。
|大麻、親子、女子中学生、裁判|
ネットで検索したらスゴいのがヒットしそうな組み合わせ。
傍聴人希望者の入廷が始まるとちょうど女子中学生までで。
母親の次に僕というギリギリ入れない場面があったのです。
「どのようなきっかけでお越しになられたのですか?」
母親の女性に話しかけました。
どうやら学校の夏休みの課題で裁判を傍聴するらしく
せっかくなので千葉から足を運んだと。
確かに東京の方が色々ありそうだ。
午前中は住居侵入とか2件傍聴して医療大麻裁判にたどり着いたと。
そこから少し会話をさせていただきました。
学校に発表や提出をするにあたり相手を傷つける犯罪より
命の裁判は議題としては面白いのではないかなど話しをして、
大麻取締法ができる経緯、世界の大麻の現状、被告人山本さんの事、
この裁判で何を争っているのかを説明して盛り上がっていました。
今回の公判は“大麻はよいモノである”という事を
医療大麻に焦点をあてて明確に証明した瞬間でした。
日本の大麻解放の歴史の中で特別な瞬間になったと思います。
僕らが裁判を傍聴できたのは30分経った頃に席を
譲ってくださる方がいたからでした。
「丁度佳境に入ったよ」
僕が入るときに譲ってくれた方が話しかけてくれた言葉
今回の公判は証人尋問でした。
僕が席に着いたときは弁護側からの証人尋問が
始まっていました。
証人 福田医師
元国立がんセンター研究部長・肝臓がん専門
現役の医師
弁護人の質問に対して、
医師が権威のある医学のデータに基づいて
医療大麻の有効性を証言する。
Lancet や New England Journal of Medicine など、
世界で一、二位の専門誌を引用して、
医師が大麻の安全性と世界の医者がなぜ治療に医療大麻を使うのか。
それを明確な根拠で説明する。
そこには一片の迷いもなかった
そして世の中で言われている嘘、大麻の悪いでっち上げの噂を
極めて信用性の高いデータをもとに世界の医師の常識として
すべて否定しました。
これまでの大麻裁判では司法から無視され続けた境地。
たどり着けなかった説得力がある。
この裁判を通して、大麻の本当が証言された。
それは嗜好大麻の所持で訴えても聞く耳を持たれる事はなかった
司法が聞かなければいけない場面。
命がかかわっているからこそ無視できない、医療大麻の真実。
医療を入り口にしていますが、大麻とはなにか?
その説明が結果という事実をもとにされたのですから。
裁判官も検察も、医療や研究のプロではありません。
そのプロが述べたデータを医師が証言している。
その根拠を否定することは彼らにはできません。
休憩を挟んで検察の証人尋問が始まりました。
これまでと同じ揚げ足をとる質問がなされますが
もう一度、説明し直すように福田医師は証言しました。
※ NPO法人医療大麻を考える会がレポートした検察側の証人尋問を抜粋します
検事 「臨床試験データはあるのですか」
福田 「はい、アメリカ国立がんセンターなど権威のある研究所が、多くのデータを出しています」
検事 「まだ研究段階ということですね」
福田 「医学には完璧ということはなく、いつも研究途中です」
検事 「有効成分がたくさんあるということですが、まだすべて解明されているわけではないのですね」
福田 「漢方でもそうですが、すべての成分と作用、その相互作用などが、全部、わかるということはありません。それをうまく組み合わせていい効果がえられればいいのです」
検事 「有害性はあると先生の本にも書いていますね」
福田 「薬は何でも副作用があるし、どんなものでも過度に摂取すれば程度の差はありますが、有害性はあります。ただ、大麻の場合、タバコやアルコールのような依存性もなければ、致死量もなく、非常に安全性の高いものです。また大麻の精神作用は抗うつ作用や精神安定作用があり、病気治療に効果的です」
検事 「よく幻覚や妄想がでると言われていますが」
福田 「誰かが言い始めた噂レベルのことで、実際にそのようなことがあるという論文はありません。そのような論文があれば見せていただきたい。私は1,000に近い大麻の研究論文を読みましたが、そのような論文はなかった。」
検事 「有効成分がわかっているのなら、それだけを利用すればいい」
福田 「化学合成THCやCBDなどの成分を単体で使うより、多くの成分が含まれている自然のままのもののほうが効果が高い。漢方の使い方と似ています」
検事 「先生は大麻には非常に効果があるがそれほど害はないとおっしゃってますが、それは、」
福田 「私が言っているのではありません。アメリカの医学界が裏付けに基づいて言っているのであって、世界では常識なのです。臨床研究は必要だが、患者さんができるだけはやく、今すぐにでも使えるようにしないと意味がないのです」
最後に福田医師は「リスボン宣言という患者の権利を定めた国際規約があり、日本医師会も認めていますが、それによると患者は最新で最善の治療法を受け、 苦痛を緩和される権利があります。
これは基本的人権という以前の、当然のことです。医療という観点からすれば、大麻取締法4条がどうこうという問題ではなく、当然、医師も患者も選択肢のひとつとして使用できるべきものなんです」
尋問中、検事が「THC、ええっと、テトラ・ヒ、ヒ、ヒ」とヒーヒー言い始め、福田医師に「あと何でしたっけ?」と聞くシーンもあった。裁判官が検事を制止し、「私が直接聞きます」とあとを続けるシーンもあった。検事にとっても苦しい時間だったようだ。
これが第4回の公判です。
僕には痛快でした。
この証言は“裁判の議事録”として残ります。
あの親子にはどう映ったのでしょうか?
僕が母親に大麻の話をした後に言ってくれた言葉
「そうなんですか。やっぱり覚せい剤と同じ ダメ、絶対!のイメージありましたからね~」
それが法廷という場所で、これまでの常識とはまったく逆のことが
医師によって説明され展開されている。
きっと驚きだったと思います。
福田医師の証言は選挙やメディアを通してみるその他とは違い、
その他に見え隠れする臭いものに蓋をする曖昧な表現が一切なく
真っ直ぐで曇りのないありのままの言葉に僕は興奮しました。
福田医師は「タバコやアルコールや抗がん剤より害の小さい大麻で逮捕するのはおかしい。最近、アメリカ4州で医療だけでなく嗜好用も合法化されたが、有害性がそれほどないという明白な証拠だ。社会に混乱がもたらされるわけでもない」と証言した。
※NPO法人医療大麻を考える会より抜粋
|命の選択 大麻 いいもの 違法|
学校で議論したらどうなりますかね^^
誰もが“命”をどう扱うべきかを真剣に考えるのではないでしょうか?
裁判官もきっと同じだと思います。
今回は弁護側が本当に伝えたいこと、
裁判に勝つために深く練られた道筋が
はっきりと示された公判でした。
山本さんの証言を経て最初の審判を迎えます。
第一審の司法の判断はどうなりますか。見ものです。
もしかしてあるかも?僕は司法に期待しています。
第4回の公判以降、
日本は医療に限らず全ての大麻をもう一度
根底から見直さなければいけないという事にもなったと感じています。
この裁判が終わったら、
そもそも大麻は患者にだけいいものなの?
そんな議論が始まるかもね!
最後の判決を迎えた後には“患者さんの声”を集めることが必要になるでしょう。
その時はメディアの皆さん!判決待ってからでいいからそこんとこ協力してちょんまげ。
この日本の大麻フェスをみんなで盛り上がっていきましょう!
➡ 医療大麻裁判 五回公判のレポート