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医療大麻

医療大麻とは?

いりょうたいま【医療大麻】 メディカルカンナビス【Medical Cannabis】

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医療大麻とは、大麻に含有される天然のカンナビノイド成分や、類似した構造を持つ合成カンナビノイドを利用した治療法である。

成分

カンナビノイド(cannabinoid)= 大麻に含まれる薬効成分の総称

主成分

①大麻草に含まれる成分
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)など60種類以上

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THCの化学記号

②人体(脳内)で作られる成分(内因性カンナビノイド エンドカンナビノイド)
2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)、アナンダマイド

③化学合成物(合成THC)
合成THCを利用した医薬品:ドロナビノール(マリノール)、ナビロン

効果

がん、小児がん
・がん細胞の増殖抑制作用、アポトーシス(細胞死)を誘導
・がん細胞の浸潤・転移を抑制する
・抗がん剤の副作用軽減と抗腫瘍効果を高める

アルツハイマー病
・症状の緩和、進行を抑える

てんかん
・発作回数の軽減

他250種類以上の疾患に適応(一覧はこちら:NPO法人医療大麻を考える会HPより)

大麻の特定部位から成分を摘出した物や、合成カンナビノイドを含有する医薬品もあるが、天然の大麻そのままを使い成分全体を摂取する方法(疾患によって成分割合の違う大麻を利用)が好ましい。

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※出典:NPO法人医療大麻を考える会

 

大麻はどのようにして疾患に効くのか

人間の体内には(細胞の表面に)カンナビノイド受容体がある。
受容体とは外界や体内からの刺激を受け、情報として利用できるように変換する構造のことである。

カンナビノイド受容体:
CB1(脳内の中枢神経系に多い)
CB2(臓器や器官の免疫細胞に多い)

大麻を摂取すると、60種類以上のカンナビノイドが、人体のさまざまな部分に分布した受容体に作用する。

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カンナビノイドを鍵、受容体を鍵穴と考えることができ、鍵が鍵穴にぴったりはまると作用(効果)が発生する。

 

体内で製造される内因性カンナビノイド

カンナビノイド受容体が存在すると言う事は、体内にこの受容体に作用する成分が存在することを意味している。
人体は必要に応じて大麻の成分に似た物質をつくる。これが内因性カンナビノイドである。

内因性カンナビノイド、受容体(CB1、CB2)、内因性カンナビノイドの合成酵素と分解酵素が体内で働き、神経系や免疫系だけでなく、消化器系や内分泌系や循環器系や呼吸器系など、ほぼすべての生体機能の制御に関わっている。
この構造を内因性カンナビノイド・システムといい、体の治癒力の根幹にもなっているのである。

医療大麻は、この体内で起こる制御システムが細胞の異変や、原料となる物質が不十分であることが原因で十分に機能しない場合に、外界から(大麻から)カンナビノイドを摂取することによって体の自然治癒を働かせる生薬療法と言える。

 

医療大麻の主な摂取方法

(1)気化させたものを吸引する(ヴェポライザー)
・乾燥大麻を熱して成分を摘出し、その蒸気を吸う
・この方法は非喫煙者に適している

(2)喫煙(大麻シガレット、パイプ、水パイプ)
・乾燥大麻を巻紙でシガレット状にして火をつけて煙を吸う
・喫煙具(パイプ、水パイプ)に医療大麻を乗せて火をつけて煙を吸う
・一般的な摂取方法

(3)大麻オイル(経口摂取)
・大麻オイルを舌の上に落とす、蒸気として吸引する、局所に湿布するなど
・喫煙が苦手な人や子供にも適している

(4)飲む、食べる(生絞りジュース、料理に混ぜる)
・生の大麻を果物などと一緒にミキサーにかけてジュースにして飲む
・乾燥大麻、生の大麻を調理して食べる
・量が必要なため一般的ではないが生の大麻特有の成分(THCA, CBDA)の摂取が可能

 

詳しくは、イスラエル(医療大麻先進国)のガイドライン動画を御覧ください。

 

 

医療大麻の安全性、大麻には致死量がない

世界的に権威のある医学専門誌、LancetやNew England Journal of Medicineは大麻が医学的に極めて安全であることを述べている。

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Lancet(1995年)
「大麻の吸引は、たとえそれが長期間に及ぶものでも、健康に害はない」
「大麻を使用する人に健康上の害は何もない。大麻を禁止する法律がなくても犯罪は増えない」

このように医学界では、大麻に有害性がないことは世界の医師の常識となっている。
一方で日本の厚生労働省は、この研究結果とは真逆の有害性を示しているが、内容の根拠や証拠は一切述べられていない。

人によっては大麻の摂取で目の充血、頻脈、喉の渇き、精神的作用による不快感など、軽い副作用を感じる場合があるが、長くてもその症状は2〜3時間ですぐに無くなる。

“医学の世界で使用されている薬にはどんなものにも副作用がある”

これは医学界の常識である。
薬には抗がん剤にも、かぜ薬にも過度に摂取すれば程度の差はあるが、副作用がある。
現在、日本の癌治療の主流となっている抗がん剤などは、強い吐き気や嘔吐、間歇性肺炎など、様々な副作用を併発し死に至る事もある。
毒薬、劇薬に至っては過度の摂取で死に至る場合もあるが、大麻には致死量がない。
またアルコール、ニコチンと比べても依存性や中毒性は低く、安全性はカフェインとほぼ変わらない。

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※Photo by blogos

こうした観点から、世界中で医療大麻を利用した安全な治療が行われているのである。

海外の医療大麻事情

医療大麻を利用できる国では、主に医師からの処方箋やライセンスを発行してもらうことによって患者は大麻を薬局で購入する事が出来る。

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※Discount Medical Marijuana cannabis shop at 970 Lincoln Street, Denver, Colorado.

症状によって成分の割合が違う大麻があり、専門家のアドバイスを受け、自身の疾患にあった大麻を処方してもらう。

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現在先進8カ国で、医療大麻の利用が制限されているのは日本だけである。
※日本では法律によって、医療目的の使用も研究も禁止されている。

また医療大麻や嗜好大麻が、政府の新たな税収源になっておりアメリカのコロラド州では2014年、大麻の税収がアルコールを超えた。
今後、医療大麻の研究が進むことによって、医学界のさらなる発展に貢献する新たな治療薬として、現在、世界中で注目されている。

産業用大麻に続く
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