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大麻の世界史

世界での大麻草の軌跡を簡単にまとめてみました。

~イスラム圏~

紀元前6~7世紀のペルシア人の経典には、「大麻は幸福の源なり」という記述がある。イランのアケメネス朝は薬効や繊維を目的として栽培していた。
紀元前100年頃、ペルシア民族宗教の神官の間では、大麻を吸引して精神作用を得る為に活用していた。
古代ペルシア医学では麻酔薬として外科手術を行っている。

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イスラム圏は大麻に寛容だと言われており、逆に日本ではポピュラーなお酒が殆どの国で厳格に禁止されている。

~アジア~

紀元前三世紀のインド医学書では「大麻は悩みから解放してくれる五大薬草の中の一つ」と紹介されており、伝統医療のアーユルヴェーダでも用いている。
また、ヒンドゥー教徒は大麻を神聖なものとして捉え、サドゥー(出家者)は大麻を日常的に喫煙する習慣があり、シヴァ神を大麻の神様と位置付けている。

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東アジアの支那では、約2700年前にシャーマンが精神作用を得て活用していた。また、漢方医が治療薬の薬草としても使用している。
一説では、中国とインドが古くから大麻を活用しており、そこから世界中に拡がり始めたとされる。

 

~大麻の歩み(その他)~

アラブの商人がガンジス川から北アフリカ、スペインへと伝えた。
その後、スペイン人の征服者がアメリカ大陸へと渡る。
その時には、大麻を船の帆やロープの素材として使用しており、当時も大麻は貴重なものとして扱われていた。
エジプトでは、神殿で大麻を炊いて精神作用を得て神とつながったとパピルスに書かれている。
フランスの将軍ナポレオンは、エジプト遠征で大麻に出会い、軍隊は酒とは違うものに酔いしれたという。兵士は二日酔いにならないという理由からブランデーと大麻を嗜んでいた。

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フランスは戦利品として大麻の種を持ち帰り、パリの芸術家、作家、学生、売春婦などが好んで利用していた。
その後、パリからロンドンへと拡がり、大麻タバコや薬用として用いられた。
イギリスのビクトリア女王や上流社会の女性は、大麻樹脂入りのチョコレートを発熱や腹痛を抑えるために食し、また、気晴らしにも度々使用していたとされる。

ニューヨークへと伝わった大麻は、当時規制のなかった医薬品の成分として利用されていた。
1876年、アメリカ独立100周年を記念してフィラデルフィアで万国博覧会が開かれる。世界中の工業発明品が展示される中で、オスマントルコ帝国の第34代皇帝アブデュルハミト2世は、贈り物として大麻の吸引パーティーを開いた。こうしてアメリカにも嗜好大麻が伝わった。

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その後、アメリカの実業家がマリファナを吸える店をオープンしたが、そこまで流行ることはなく、お酒の方が人気は高かった。
しかし禁酒法によって大麻の人気は上昇する。
世界中の繁華街で、ジャズとマリファナが絶妙に合うことや、アルコールはドラッグとして禁止され姿を消した事もあり、大麻は規制なく手に入るドラッグだったのが理由とも言われている。
ニューオリンズで犯罪が増えた時、暴力や略奪行為と大麻は関連があると、メディアによって書かれた。大麻を禁止すると利益を得る人達によって、大麻は“社会悪の根源だ”とスケープゴートにされていくのである。

こうした論争が火種となり、アメリカで大麻は禁止されていく。そして世界中の国々が同じように、大麻を法律で縛るようになっていくのである。

医療大麻に続く ➡
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