Cannabis Revolution ⅲ 瞬間の選択
せわしなく準備して出かけたはいいが、役所が閉まっていたため少し早めに到着した時間。夕暮れを迎えて入ったファミレスでは斜め前の席に座った熟年の男女がセックスの話をしている。
「だって気持ちいんだもん」
「だからあんたはダメなの」
夫婦ではなく女の立場が上のようで、これからストリップに向かうという彼から一万五千円を取り上げ、支払いもさせて去っていった。
やばい夜の始まりはこんなもんだ。ビールをオーダーして二人を待つ。タバコに火をつけて一息つくとまた思考の先端を探していたと氣が付く。テクノロジーに光が差し日常に生まれた影、なくしてしまったもの。その一つの景色が全開で展開されていた熟年の嵐を昭和の小説のような一場面として伝わるように到着した二人に話していた。
瞬間を選択するのならば、
それぞれで展開されているヴィジュアルの中でその世界の瞬間にどう向き合うのか。
気持ちの良い方へ。道は初めから開かれている
柏手を打ちながら真理の面に盛り上がる中年のヴァイヴスが東京のストリートに溶けていく。たどり着くと麻糸を紡ぐ映像をみたあとのゆっくりした時間が流れていた。
たどり着いてから咲いた花の噺は実に愉快だった。
ここでの縁は麻が繋いだもの。
「なんで麻に興味をもったの?」
「彼氏の名字に麻がつくの」
37で一度死んだとカチコチの富士山から滑り落ちる体験談を話してくれた彼女は、どうやら彼氏の名字の由来を調べていて今日にたどり着いたらしい。
その麻の名字は地元でも少数らしく農家をしていたのだろう。入り口をくぐると麻文化、衣類、その他の多様性を知り”彼女は”氣が付いている。
手持ちサイズの楽器が散りばめられたその店はもうすぐ土地を変える。それぞれが音を奏でてミュージックはできあがっている。そんな空間に集まる人は「媒体」を通して見える印象とはほど遠い。
年齢や性別を前置きにしない人たちが作り出す世界は居心地がよく、まったく麻に興味のない名字に麻がつく彼の彼女と愉快にお話ししている縁はひとつであり、本当に多種にわたるのだと嬉しくなった。
その熟女の女性を、日本の名前に残された麻の欠片を拾ってきた妖精のようだと思った。熟女は妖精に見えるのだ。いや熟女も妖精なのだ、、さらに探るのをやめる深さを残して、よいお年をみんなに伝えた。
今年もありがとうございました。
猫にマタタビ、人に精麻とは私がいったものです。
迎えた一日の中に麻を通してこんなにも幸せはありました。
瞬間を自ずと選びそれが世界となるのですね。
皆様の年末はよいものでお過ごしでしょうか。
日本人のお正月にお雑煮は欲しいですよね^^
よいお年をお迎えください。
麻なびを来年もよろしく、お願い申し上げます。
2017.12.30 Tokyo Pink