大麻栽培は「エコでオーガニック」志向へ、米国 〜急成長する大麻市場、肉や野菜と同様の商品性求めて〜

〜麻なびよりコメント〜
成長産業のアメリカ大麻業界、2021年には売り上げが202億ドル(2兆円)の見込みとのこと。
その中で、室内栽培でのエネルギー消費、水、農薬の使用を控える努力が始まったらしい。
しかし、連邦政府の動きが遅くこの努力に水を差していると。。
話は変わるけど、嗜好でもTHC濃度をバカみたいにあげるのとかはちょっと違う気がしています。
やっぱり太陽と土、オーガニックで育ってCBDもしっかりと同時に摂れる大麻がいいな。
みんなはどんなのが好きですか?質のいい大麻って、、エネルギー、香り、そしてのどごし(喉に残る後味)でしょ!!

配信元:NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/c/062200046/

米国の大麻産業が急成長している。このまま成長を続けると、2021年には売り上げが202億ドルに達する見込みだ。

現在、大麻産業に携わる人々の多くは、大麻草の栽培が環境に及ぼす影響を抑えるため、エネルギー、水、農薬の使用を控える努力を始めている。米ルイス・アンド・クラーク大学の調査によると、米国で1平方フィート(約0.09平方メートル)の屋内スペースで大麻草を育てると、そのために消費するエネルギー量は病院の同じ広さの4倍以上、商業用ビルの8倍以上、宗教施設の20倍以上になる。しかし、大麻に関する十分な研究がなされていないことと、規制が整っていないことから、産業関係者は難しい立場に立たされている。

2015年のナショナル ジオグラフィック誌6月号で、英語版編集長のスーザン・ゴールドバーグは、大麻を医療用や嗜好用に合法化する州が増加していると書いた。当時、米国内で大麻を医療用に認めていた州は半分にも達していなかったが、今では29州とワシントンDCで合法化されている。

だが、ゴールドバーグの以下の引用部分は、当時も今も変わることはない。「一部の州が大麻の規制、販売、課税に前向きに取り組む一方、連邦政府は発展のための研究にも消極的であり、おかげで確かな情報と科学に基づいた選択をしたくても、その知識を持てずにいる人々は増えるばかりだ」

州と連邦政府、大麻の扱いに温度差

この情報不足は、処方薬や食品と比較して厳格さに欠ける大麻の検査過程にも表れている。効能や微生物増殖を調べる検査は、大麻の全生産量のうち0.01%に対してしか実施されていない。それ以上は必要のない経費と見なして、生産者も検査したがらないのだ。

大麻に寛容なコロラド州では、生産過程をチェックする目的で、1回の収穫分から1点の検体を採取・検査し、これを1週間ごとに6回行うことが義務付けられているが、それを通過すれば後は1年間検査する必要がない。

新しい肥料を加えたり、効率性の悪い照明を交換したなど、生産過程に変更があった場合にのみ再検査が必要となる。

ある検査施設の所有者は匿名で、「THC(テトラヒドロカンナビノール:大麻の主な有効成分)の濃度を水増しするために、検体に手を加える施設もあります」と明かした。

「検査件数が少なく、顧客をつなぎとめておきたいがために、顧客を満足させることに必死になった結果、検査施設の価値が大きく損なわれてしまいました。例えば、夫の所有する栽培施設の大麻を、妻が所有する検査施設で検査するというケースがあっても、州はそれを承知の上で何もしていないのです。医療用大麻の場合、これは問題だと思います」(参考記事:「実は病人が入手しづらい〈医療大麻〉のカラクリ」

この人物はさらに、大麻が他の医薬品や食品と同等の法的扱いを受けていれば、この問題は解決されるかもしれないという。一般的な医薬品や食品は、全製品の1%近くが検査されている。

連邦政府は、1970年の規制物質法によって、大麻をヘロインやエクスタシーと同じレベルである「スケジュールI」の薬物に指定している。そのため、大学やその他の研究機関は、簡単に研究や検査の許可を取ることができない。(参考記事:「マリファナ合法化の波、米連邦にも」

今年の4月半ば、フロリダ州選出の下院議員マット・ガエッツ氏とダレン・ソト氏が、大麻をスケジュールIIIへ再分類する法案を連邦議会へ提出した。スケジュールIIIは処方鎮痛剤と同じ区分になり、検査機関での検査もはるかに実施しやすくなる。

大麻の「オーガニック認証」めざす動き

十分な検査がなければ品質管理も難しいが、今できることをやろうと動き始めている生産者もいる。

エイミー・アンドレ氏は、コロラド州デンバーのダウンタウンで、夫のジョン氏と一緒に「レーグル・サービス」という大麻販売店を経営し、高品質の大麻製品を製造している。コロラドでは、スターバックスとマクドナルドの店舗を合わせた数よりも大麻販売店の方が多いという。

アンドレ氏は、「オーガニック・カンナビス・アソシエーション」の創立メンバーでもあり(カンナビスは大麻の学名)、自分の店では本人曰く「100%クリーンなカンナビス」しか販売しないというこだわりを持っている。しかし、大麻草は連邦法では合法と認められていないため、米国農務省の公式な有機認証を受けることができない。鶏肉やトウモロコシと同等というわけにはいかないのだ。(参考記事:「トランプ政権で米国の医療大麻はどうなる?」

そのため、消費者へ差別化をアピールするのが難しい。「大麻に関しては、全国共通の有機認証が今のところ存在しません」

オーガニック・カンナビス・アソシエーションは、それを実現させる目的で設立された。

「大麻の有機認証を全国レベルで適用できるようにしたいと考えています。多くの州が、医療用の大麻草の栽培を合法化しようとしているというのに、いまだに有機栽培の基準と認証がないため、消費者も違いを知ることができないのです」

アンドレ氏は、消費者の大麻購買行動を変えたいと願っている。まずは、大麻への認識を変え、過去の汚名を払拭することだ。そこで、オーガニック食品などを販売する高級スーパー「ホールフーズ」の顧客層をターゲットとする。

肉や野菜を選ぶ感覚で人々が大麻を認識するようになればと、アンドレ氏は願っている。「食品にはそれぞれ、消費者が期待するうたい文句があるでしょう。魚であれば天然もの、野菜であれば無農薬、鶏肉であれば放し飼い、卵であれば放牧卵といった具合に。今のところ大麻にはそのようなうたい文句がありませんが、私たちはそれを作り出そうとしています。近い将来、買い物客は大麻にもそれを求めるようになると思います」(参考記事:「有機野菜はやはり「おいしくて健康的」、英米の研究で」

6月上旬、オーガニック・カンナビス・アソシエーションは同じ志を持った非営利団体エシカル・カンナビス・アライアンスと合併して、カンナビス・サーティフィケーション・カウンシル(CCC)を設立、独立機関として大麻製品へ「有機栽培」「公正な生産」の認証を与えることを目指す。

「今は、大麻産業が連邦政府の監視を受けないというまれな時期にあります」と、CCC代表に新しく就任したばかりのアシュリー・プリース氏は言う。「営利目的で基準を設けようとした団体は多いですが、どれも倫理的なやり方で行われていません」

プリ―ス氏は、農務省とヨーロッパの有機基準を基にガイドラインを作成し、技術諮問機関のアドバイスを受けたいとしている。その後、全国的なパイロットプログラムを立ち上げる。

「生産者と加工業者は、倫理的な大麻生産を行わない競合製品との差別化を図ることができます。消費者も、自分の体に取り入れているものが安全でクリーンな製品で、地元の生産者を支えているのだと知り、安心して認証製品を購入することができます」と、プリ―ス氏は言う。

省エネ栽培の追求

コロラド州とワシントン州の有権者が、2012年に嗜好目的の大麻合法化への道を切り開いて以来、生産者は高いエネルギー代を削減する画期的な方法はないかと模索してきた。2012年の調査で、屋内の医療用大麻栽培がカリフォルニア州の全エネルギー消費の約3%を占めていることがわかった。しかも、調査以来、栽培される土地は急速に拡大している。(参考記事:「違法薬物栽培、隠れたエネルギー問題」

シオバン・デンジャー・ダーウィッシュ氏は、カリフォルニア州ハンボルト郡で15年以上大麻草を栽培している。夫婦で経営する農場は、2016年6月に商業用大麻草栽培の許可証を受けた。州で最初の公式な許可証である。

ダーウィッシュ氏は、合成肥料や農薬を一切使わず、水の使用も厳しく監視しているという。

「持続可能性とは、運営管理に高い基準を定めることでもあると思っています。私たちは地域社会に対して、生まれたばかりの合法な大麻産業が社会の利益を損なう存在ではなく、貢献しているのだということを知ってもらうために努力しています」と、ダーウィッシュ氏は言う。

大麻の合法化によって、ダーウィッシュ氏のような地方農家は、これまでのように山の中に隠れて大麻草を栽培する必要がなくなった。それが森林の断片化を防ぎ、最終的な製品への責任を明確にすることにもつながる。さらに、屋外で堂々と栽培すれば、照明の必要もなく、電気の使用を大幅に節約できる。

エイミー・アンドレ氏のように屋内で栽培する生産者にとって、持続可能な生産にはより多くの機械が必要になり、経費も余計にかかる。アンドレ氏の施設では、技術の進歩に伴って1年から1年半ごとに空調設備を全て交換している。

大麻草が発育段階にあるときにはLEDライトが使用されるが、つぼみが出てから収穫までの間は、まだ従来の照明を使わなければならない。しかし、施設内の最も広い部分をLEDライトに交換してから、70%のエネルギー代節約になったと、アンドレ氏は言う。

アンドレ氏を含むデンバーの屋内生産者たちは、生産スペースを市から借り受けている。かつては捨てられ荒廃していた建物を再利用した結果、今ではビジネスが繁栄して周辺地域が活性化し、雇用が生まれている。絶えず行われている建物の改修費用は、テナントが負担している。

アンドレ氏は言う。「大麻産業は、実質的には2009年にスタートしました。それ以前は、合法的な研究や技術革新が一切できなかったわけです。それがここまで来ることができたのは、人々がそれだけ熱意を持って働きかけていることのあかしです」(参考記事:「大麻ハウスが米国で注目、規制緩和受け」

文=Austa Somvichian-Clausen/訳=ルーバー荒井ハンナ

 

 

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